博士の愛した数式 小川洋子

博士の愛した数式 小川洋子

ひとこと

健常者と障害者の間に生まれる、家族愛と友情の美しい物語

とにかく読みやすい物語です。父親のいない男の子に初めてできた大人の友達は、80分間の事しか覚えることのできない男友達でした。81分後には男性の気をくが消去され、二人は初対面の状況まで戻ってしまいますが、それでも二人とも友情を育んでいくところが心温まります。

何事の関係にも give and take の多いこの世の中、二人の仲にはお互いへの見返りという概念が一切なく、相手が喜ぶのであれば自分の犠牲はいくらだって払うという友情の育み方でした。ただ、全ての犠牲を払うのではなく、自分の事も尊重しつつ、相手が喜ぶための行動が絶妙で、その友情が美しかったです。

二人の共通言語は数字でした。最初は数字に感情があることは想像できなかったのですが、本を読み終わると数字に感情があるのだという気持ちが、本当に少しだけ理解できました。

当たり前のことですが、仲良くなりたいという人がいるのであれば、まずはその人の興味あることに誠心誠意向き合うことが、友情の第一歩なんだと改めて思いました。

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